さーもんのゲーム与太話

ゲームの話と与太話

赦すことの強さを知るRPG

こんばっぱー。さーもんです。1番好きな秘奥義はリメDラスボス戦の斬空天翔剣。特殊なの除くとアスベルの白夜殲滅剣です。

祝・テイルズオブアライズクリア!
【PS4】Tales of ARISE
今はクリア後ダンジョンとか修練場のクリアとかをしてます。
まずはネタバレなしでレビュー的なこと書いてそのあとネタバレあり感想書きます。



5年ぶりのテイルズオブシリーズ最新作とても楽しかったです。色々ポイントごとに書いていきます。


・キャラクター
パーティーメンバー6人、みんな好感が持て、それぞれの過去や後悔に共感できるいい造形をしてました。
色々含め今作はテイルズらしさとらしくなさが混在した作品だったのですが、キャラクターが1番伝統を受け継いでる要素だったと思います。
シリーズファンの人ならしっかり今作としてのキャラでありながらいつもの感を味わえると思います。
シリーズ未プレイの人から見ても上述の通り好感が持て、ストーリーを通して成長していく姿を楽しめると思います。


・ストーリー
根底にあるテーマが多くの人にとって納得できるものなので基本的に楽しめると思います。多少気になる部分もありますが影響は小さいかと。下克上の要素もあってヒロイックかつロマンスのある展開です。
ただだいぶ王道なのであんまり予想外の展開が!ってのは少ないかもしんないです。この辺りはフィクション慣れした人ほど感じてしまうかも。


・戦闘
ここが1番テイルズらしくないところです。良くも悪くもですね。個人的には楽しいけど終盤少ししんどいかなって印象。

他作品だとダウンってあんまり使い道がないんですが、アライズではダウン技やブーストアタックを使ってダウンさせてコンボを稼いでブーストストライクにつなげる必要があります。
ただの敵にも一定のスーパーアーマーがついていて通常攻撃を何度か当てて体勢を崩さないといけません。ジャスト回避後に出せるカウンターレイドは一撃でブレイクさせられるので相手の攻撃を待つのも重要になってきます。この辺もまず攻めていくシリーズ作品とはかなり毛色が違います。なんとなくブラボを思い出すプレイ感覚があるんですよね。

加えてのけぞらない大型敵が多く出てきて一戦にかかる時間は長めです。終盤はこれが顕著になるのでシンボル全部戦うぜっていくとしんどくなります。僕がそうでした。

上記みたいなアライズ特有の戦い方の部分がわかってくるとカウンターレイドもブーストストライクも爽快感抜群で楽しいです。ブーストアタックは緩めのQTEが入るようなものと言えばいいかな?リンウェルの敵詠唱キャンセルがかなり気持ちいいですね。


・音楽やグラフィックなど
音楽はヨシ。戦闘BGMしっかりテイルズらしくてカッコいいです。グラフィックは2本目の感想日記にも書いた通り。リアル感が上がってアニメ調なシリーズらしくないと思いきやキャラのグラフィックがしっかりアニメ調を落とし込んだ形になっていてすげえ技術使ってるわこれ!となります。目が特にすごいんだわ。しっかり絵画なんよ。


・システム周り
1番今までと変わったと思うのはスキット。キャラ同士の雑談を見る伝統のシステムなわけですが、これまでのシリーズではアニメの顔グラだけで会話が繰り広げられていました。今作は3Dモデルそのままに漫画みたいなコマ割りで展開します。素直にこっちのがいいなと思います。

宿屋もありますが今作の休息はキャンプがメイン。キャンプ入った時点でミニ会話があったり、作った料理によってスキットが発生したり、パーティーから1人選んで夜を過ごしたり(ストーリー進行や絆が深まることで会話イベントが起きる)、キャラ好きにはたまらない幸せな時間を過ごせます。

武具やアクセサリーについて。武器は基本的に敵の素材で作成、防具は購入か宝箱、アクセサリーは原石をフィールドで採集して作成です。
武器の素材は特段レア素材とかはなくて、ちゃんとストーリー進行に合わせたマップの敵と戦ってたら集まるのでストレスフリーです。アクセサリーはメイン効果以外のサブ効果に厳選要素がありますが他のアクセサリーから移植することもできるので、こだわる人でもそんなに苦労はしないんじゃないかなあって思います。総じて不要なストレスなく強くなっていく実感を得られるいいシステムだと思います。

称号について。称号もテイルズ伝統のシステムですがこれはシリーズごとに毎度結構違うところなので今までと違って当然のシステムです。
今作の称号は他のゲーム作品でいうところのスキルパネルみたいなもので、一つの称号につき5つスキルがあって、戦闘やクエストクリアで手に入るSPを消費して解放していくというごくシンプルなもの。
各称号の解放条件もストーリー進行で入手するものを除いて記載してくれるのでユーザーフレンドリーな設計になってます。
ただ最初からステータス画面で最終的な称号の数がわかってしまうのは、最初からゴールが見えてる感じがして少し自分は窮屈さを感じました。グレイセスくらいえぐい数あったら別にいいんだけどね。



ネタバレなしだとこんなところでしょうか。
キャラ・ストーリーは王道で万人にオススメできます。戦闘は少し好み分かれるかも。グラフィックや音楽は文句なしです。
どちらかと言うとシリーズファンよりも新規に遊ぶ人に向けた感じはあるかなと思います。それに結構システムも違うの最新作遊んでから過去作に入っていくのも他のゲームと比べればハードルは低いと思います。

テイルズオブシリーズを遊んだことがない、もしくはあまり経験がない人にこそ遊んで欲しい本作。Steam版は今なら旧正月セールで25%オフ。パッと探した感じPSの方は残念ながらセールの対象にないみたいだったけど、ドラマティックなストーリーのRPGをやりたい人は是非遊んでみてください。


以下ネタバレあり感想に移ります。





















アライズクリアネタバレ感想。
常にどこかで惜しさを感じるものの非常に楽しいゲームだった。って言うのが自分の中での結論になります。減点法で点数にするなら88点とかそんな感じ。加点法なら32000点とかだよ。役満

ストーリーから。
以前の記事では2部突入までの感想でした。今回はそれ以降。なんですが前回あんまり詳しく話さなかった部分を先に。
ミハグサールではリンウェルの考え方の変化を描いていました。
非道な行いをしたレナ人はいるけれど、レナ人だから悪いと考えるのは短慮に過ぎること。そしていかに憎い相手でも殺すことだけが解決方法ではないこと。
復讐の是非ってのはフィクションでたびたび扱われる概念ですね。個人的にはエルメェス姉貴のが好きです。
アライズではシオンが「憎しみは力をくれる。だからそれに頼るのも悪いことじゃない。でも復讐を遂げたとして、そのあと自分がどうしていくのか考えられていないんじゃない?」といったことを言ってくれます。これもまた良い信念だと思います。
復讐したらそのあと自分も死ぬ!くらいならいいけど復讐を遂げたあと今までと同じようにあなたは暮らしていけるの?という問い。リンウェルの優しい心根を知ってるからこその説得だと思います。

その後、最後の領将ヴォルラーンにシオンが攫われガナスハロスへ。
ヴォルラーン戦はこれまでの旅で得た経験との真っ向勝負といった様相。アルフェンたちはレナとダナが共存できる道を、ヴォルラーンはただひたすらに自分だけが王として君臨する道を。その覚悟のぶつかり合いで、熱い戦いだったと思います。


ここで2部入り。
とうとうレネギスからダナに向けてアクションが起こり、それを解決するためレネギスに向かおうという展開。宇宙編ですね。
ここではレネギスの人々もまたその背後にいる何者かに支配されているに過ぎないと知るためのパートかと思います。赤い女の神出鬼没な動きや明らかな異質さが驚きを与えてくれる良いスパイスになってました。
そしてテュオハリムが真に過去と向き合い覚悟を決めるパートでもありました。彼はパーティー最年長(アルフェンは活動してた時間だけで計算)ですがまだ28歳。そりゃその歳でも弱さとか迷いとかあるよなってのを親身に感じられるのは、この時期にプレイした恩恵かもなあって思います。

そこからさらにレナ本国へ行こうとしたところで赤い女の妨害を受けるも、行き着いた先でヘヴレクトの35に出会い真実を知る一行。ダナ人<レナ人<ヘルガイムキル<レナの星霊という支配構造ですね。この最初見えてた支配構造が終盤で二転三転入れ替わっていくのが楽しかったです。

真相を知った上での全員の決意を固めるシーンがあって次はもうラスダンな訳だったのですが、この辺りで強く思ってしまったのは因縁のある人間キャラがいない寂しさですね。
1部は(やや駆け足な面はありつつも)領将たちがその役割を持ってたのですが2部は誰もいないのが寂しかった。魅力ある敵幹部って重要だなあと。

割と淡々とラスボスまで向かいレナの星霊との戦闘。言葉の通じる相手ではなかったのも上記の寂しさが強まった原因かもしれません。
だからこそ最後の最後でヴォルラーンが乱入してきたところでやったー!!ってなっちゃいました。
ヴォルラーンの役割は1部と同じではありましたがアルフェン側の主張がより進歩していた感じ。
赦しあうことが強さと主張するアルフェンと強さで持って全てを蹂躙すればいいと主張するヴォルラーン。
最期まで分かり合えなかったのは、どこまで行っても分かり合えない人もいるっていうご都合主義にならないための苦味だったのかなあって思います。

最後の最後は本来一つであったダナの星霊と一つになりたいというレナの星霊の思いを受け入れることで融和しあうエンドってことなのかな?少し説明が足りなくて考えないといけないですねここは。

エンディングムービーの最後にはアルフェンとシオンの結婚式。こう言うので良いんだよの象徴ですよね。主人公とヒロインの結婚式で〆るの。

ストーリー全体を通してやっぱりリバースを意識してるのかなってのは思うんですよ。リバースではいわゆる人間のヒューマと獣人のガジュマが存在していて、対立が深まった時彼らを説得する理論としては「ピーチパイを美味しいと思う気持ちに違いはありますか?」という言わば、「見た目の違いはあっても同じ部分だってあるんだよ。自分たちは何も変わらないんだよ」というものです。
対してこちらはダナとレナの関係について、「お互いは違うけれど、それでも理解し合い共存することはできる。恨みや下に見てしまう気持ちはあるだろうけどそれでも互いに歩み寄ることが大事なんだ」というもの。
どちらが間違いでどちらが正しいと言うことはないけれど、どちらかと言うとアライズの方がより現代の価値観に沿った考え方を提示してると思います。まあリバース18年前のゲームなんでそりゃあね。
物語で伝える根幹のテーマがちゃんと一貫してて、かつ納得のいく形で実を結んでいたのが、良い部分だと思います。



長くなったなあ!でもここからキャラ語りいくぞ!!!


アルフェン
テイルズでもトップクラスに好感持てる主人公ですね。不条理には抗い、助けを求める人には手を差し伸べ、赦し合う強さを知る。
以前のプレイ日記でも書きましたが序盤の時点でシオンに惹かれ始めてて、そのまま内面の優しさにも触れて惚れてってのがありありとわかるのがすごく応援したくなる感じがして可愛げがあるなあってなりました。
自分は世界とヒロインを天秤にかけられた時、どっちも救う道を貪欲に求める主人公が大好きなのでアルフェンのことも大好きです。
戦闘は基本ずっとアルフェン使用。対応したブーストアタックでダウン→フラムエッジで一気に削ってコンボを繋げてストライクブーストが終盤の戦い方になりました。
シオンとの関係は似たもの同士だなあと思います。いやまあこれ後の二組も同じなんですが。
どちらも誰かを犠牲にするくらいなら自分一人が背負い込めば良いと思ってて、そんなお互いがお互いを放っておけない。そんな感じ。


シオン
徐々に心を開いていくタイプの正統派ヒロイン。刺々しい期間はかなり長くてなかなか本音を見せてくれないのが、こう今時珍しいくらい丁寧に心の氷解を描いてるなあって思いました。すぐ主人公に好感抱いてくれるインスタントなソシャゲに慣れすぎてるのかもしれない
自分の足で立つ強いヒロインでもあり、さらわれ囚われるヒロインでもあり、自らを犠牲に世界を救う力を持ったヒロインでもありと、いろんなパターンのヒロインキャラを内包した在り方だったと思います。
アルフェンはじめ、パーティーキャラに徐々に頼るようになっていき絆が深まる様子を丁寧に描いてくれて本当に良かったなあ。そしてしっかり絆を深めた後でも安易なデレは見せず、でも信頼がちゃんと言葉の端々に現れるというすごくいいキャラ造形でした。
決戦前夜のアルフェンとの会話がとても好き。荊も無くなって人と触れ合えるようになって、アルフェンと末長く幸せに暮らしてほしいです。
戦闘は修練場で使ったくらいですが銃を使った戦いはかなり楽しいです。ただ実戦だと回復役を担わなくてはいけないので難しいかなあと言った感じ。


リンウェル
パーティー最年少だけど、抱える過去は1番悲惨だった魔法使いの少女。おてんば系女の子キャラの系譜ですね。
物語全体を通した精神的な成長は彼女が一番したんじゃないでしょうか。まあこの辺はストーリー語りでも言った通り。
ロウとは互いに憎しみだけに囚われた攻撃を止めあった仲。そして鈍感仲間でもあるかな。見てて一番ヤキモキするのはこの2人ですね。5年後に期待って感じ。
1番レナへの恨みが強い立ち位置だったのでややキツイ印象も受けますが過去を思えばやむなしかと。そこからちゃんと反省できるのが良い子ですよね。
調べてみたら操作キャラとしてはリンウェルで連携詠唱短縮を駆使してひたすら上級魔法使うのが強かったらしい。


ロウ
やっぱりスケベ大魔王じゃないか!!!失敗したけど!!!
思った通りだったよお前は良いやつだなあ。
鈍感だし素直になれないし美人を見ると気を惹かれちゃうのでリンウェルと一緒になるのはまだまだかかりそう。
パーティーの中では感覚派でありながら、慎重さも持ち合わせたなかなか珍しい立ち位置。まあいじられキャラなのは最後まで変わりませんでしたが。年齢も含めて少年系主人公の系譜だったと思います。
以前も書いた通り、彼も彼で過去が重いので精神的には実は大人な部分もあってこの辺はキャラ造形のバランス感覚の良さが出てたと思います。
戦闘は使ってるとすごく楽しい。素早くひたすらに殴り続けるの気持ちが良いですね。あと第二秘奥義の紅蓮天翔で「俺は鳥になる!」って言ってくれたの最高だった(シリーズネタ)。


キサラ
パーティーのおかん役。
いやもうかなり大人。他のメンツを見守る立ち位置。
メナンシアの出来事を経て、パーティーの中で誰よりも早くお互いを理解しあうことや赦しあうことの大切さを知ったのが彼女だと思います。
誰かの悪事を集団に帰属させないことや、自集団のことは全て良いことだと思わないこと。現代を生きる上でも大切な心構えを彼女はたびたび説いてくれます。パーティーだけじゃなくてプレイヤーにとっても見守ってくれる立場の大人といった印象を受けます。
一方でブラコンだったり釣りに対して並々ならぬ情熱があったりとコミカルな面もしっかり見せてくれるのが好きになれる要素だなあって思います。
テュオハリムとの関係はこれまたシックで大人な雰囲気。互いにとって最も身近なダナ人/レナ人がお互いだったことが、何よりも理解と共存の大切さを知る上での幸運だったのかなあと思います。
エンディング後の2人の関係はどうなってるんでしょうね?気になります。


テュオハリム
自他共に認める変人。空気の読めない発言も多いけどわざとでは無いし、本当に誰かを傷つけてしまうような発言だった時は謝れる人です。年齢を重ねて、さらに立場も上の人物なのにそういった行動を取れるのは優れた人格のなせるわざだと思います。
恵まれたレナ人という立ち位置のキャラがパーティーに彼しかいないので、やや割りを食う場面もあったかと思いますがまあその分1番自由にやってたのも彼だと思います。
彼が1人いるだけで場のコミカル度が上がるので好きです。そしてそのコミカル度の上昇は天然ゆえでわざとらしく無いのがまた良い。なんだろうTRPGでこんなキャラ演じてみたいなって思う性格や発言なんですよね。伝わるのかこの感覚。




クッソ長くなったぜ。
ネタバレありに入ってから最初に言った通りどこか惜しさを感じてしまっていたんですが、こんだけ長く感想書くくらいには大好きなゲームになってたんだなあってのも実感できて良かったです。クリア後ダンジョンや実績埋めも今の所やる予定です。まだまだしゃぶるぜ。

愛してるぜテイルズオブシリーズ。そしてありがとうテイルズオブアライズ。と言ったところで終わりにします。それでは。